Claude Code v2.1.144:バックグラウンドセッション管理の大幅強化と多数のバグ修正
Claude Code v2.1.144では、バックグラウンドセッション機能の信頼性と操作性が全面的に改善され、ターミナルレンダリングの不具合やMCP連携のバグを含む40件以上の修正が盛り込まれた。
背景
本リリースはバックグラウンドセッション(--bg)機能を中心に、多岐にわたる問題を解消するメンテナンスリリースとして位置づけられる。バックグラウンドセッション機能はv2.1.143以降で積極的に拡充されてきたが、それに伴うリグレッションや細かな動作不良が蓄積していた。特にmacOSのFull Disk Accessによるクラッシュ(2.1.143リグレッション)や、BedrockおよびVertexユーザーがモデルピッカーでOpus 1Mコンテキストを選択できない問題(v2.1.129リグレッション)など、直前のリリースで混入した不具合が複数含まれていた。
また、ターミナルレンダリングに関しては、長時間セッションでの文字化け、VS Codeでのスピナーアニメーション起因のグリッチ、ウィンドウリサイズイベントの取りこぼしによる出力の乱れなど、表示品質に影響する問題が並行して報告されていた。
技術的な変更
バックグラウンドセッションの機能追加と修正
バックグラウンドセッション周辺では機能追加と多数の修正が行われた。機能面では、/resume コマンドがバックグラウンドセッションに対応し、claude --bg やエージェントビューで開始したセッションがインタラクティブセッションと並んで表示されるようになった(バックグラウンドセッションには bg マーカーが付く)。サブエージェントの完了通知には経過時間(例:「Agent completed · 3h 2m 5s」)が追加された。
修正面では以下の問題が解消された:
- macOSでFull Disk Access保護フォルダ配下のプロジェクトで「exit 1 before init」クラッシュが発生する問題(2.1.143リグレッション)
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/resumeピッカーがバックグラウンドセッションからフォークしたセッションを表示しない問題 -
claude respawn <id>が停止済みバックグラウンドセッションで「stopped」を表示したまま起動しない問題 -
claude agentsまたはバックグラウンドサービス無応答時のclaude logs <id>が無期限にハングする問題(現在は10秒でタイムアウトし、リカバリヒントを表示) -
/bgおよび←-detach 操作で/add-dirで追加したディレクトリが失われる問題 - すでにその場で編集中だったセッションをデタッチした直後にEdit/Writeが「background session hasn't isolated its changes yet」を返す問題
- サブエージェントが生成したBashタスクがプロセス終了後もSDKタスクパネルで「Running」のまま残る問題
- 一時的なウェイク失敗で完了・停止済みセッションが恒久的にスタートアップクラッシュとして記録される問題
ターミナルレンダリングの改善
ターミナル表示品質に影響する3件の問題が修正された。ウィンドウリサイズイベントの取りこぼし時(VS Codeのスプリットペイン操作など)に出力が文字化けする問題は、次フレームで自己修復するよう変更され、従来必要だった Ctrl+L による手動リフレッシュが不要になった。長時間セッションで蓄積するゴーストグリフの問題(ターミナルのリサイズや再起動でのみ解消されていた)も修正された。VS Codeでのスピナーアニメーションについては、使用するカラー数を削減することでレンダリンググリッチを低減した。
ネットワーク・API接続の改善
ネットワーク接続に関する重要な改善が加えられた。api.anthropic.com に到達できない環境(キャプティブポータル、ファイアウォール、VPN)での起動時に最大75秒ハングしていた問題が修正された。サイドチャネルAPIコールのタイムアウトを15秒に設定することで解消している。また、カスタム ANTHROPIC_BASE_URL 環境やBedrock Mantleで、バックグラウンドサイドクエリが正しくHaikuモデルにフォールバックしない問題も修正された。
MCP連携の修正
MCP(Model Context Protocol)に関して2件の重要な修正が含まれる。tools/list レスポンスがページネーションされているMCPサーバーで最初のページしか取得されず、後続ツールがサイレントにドロップされていた問題が修正された。また、SVGなどMIMEタイプが非対応のMCP画像によって会話が破壊される問題も解消され、ディスクに保存してツール結果内で参照する形式にフォールバックするようになった。
モデル選択とコマンド体系の変更
/model コマンドの動作が変更され、現在のセッションのみにモデル変更が適用されるようになった。新規セッションのデフォルトモデルを変更するにはモデルピッカー内で d キーを押す。また、「extra usage」という表記が「usage credits」に統一され、コマンド名も /usage-credits に変更された(旧コマンド名 /extra-usage は引き続き動作する)。
設計判断
本リリースで特筆すべき設計判断の一つは、スタートアップハング問題への対処方針だ。api.anthropic.com への接続試行に対し、最大75秒待機するのではなく15秒でタイムアウトを切ることで、ネットワーク環境が制限された状況での起動体験を優先している。サイドチャネル通信のタイムアウトを主要API通信から分離して短く設定することで、コア機能を損なわずにオフライン耐性を高めるアプローチといえる。
もう一つは /model コマンドのセッション局所化**だ。これまでのグローバル変更からセッションスコープへの変更により、複数セッションを並行運用するユーザーが意図せずデフォルトモデルを書き換えてしまう問題を構造的に防いでいる。デフォルト変更には明示的な d キー操作を要求することで、意図的な操作との区別を明確にしている。
まとめ
v2.1.144は、拡大するバックグラウンドセッション機能のリグレッション解消とWindows・macOS・VS Code各環境の動作安定化を中心に、40件超の修正を一括して提供するリリースだ。特にネットワーク遮断環境でのスタートアップ改善と、MCPツール取得のページネーション対応は、CI/CD環境や大規模なMCPツールセットを利用するユーザーにとって実質的な信頼性向上をもたらす。