Claude Code 2.1.110 リリース:TUIレンダリング改善とフック・MCP安定性の強化
Claude Code 2.1.110では、フリッカーフリーなフルスクリーンレンダリングを実現する /tui コマンドの追加を筆頭に、MCP接続の堅牢化、フック処理の修正、Remote Controlの操作性向上など、広範な改善が施されました。
背景
前バージョン 2.1.108〜2.1.109 では、プロンプトキャッシュの長時間TTL対応やセッション recap 機能が導入されましたが、フルスクリーンモードのレンダリング品質や MCP サーバーの安定性、フック処理の一貫性に課題が残っていました。2.1.110 はこれらの積み残しを解消しつつ、UI操作性の再設計を行ったリリースです。
技術的な変更
TUI・フルスクリーン表示の再設計
フルスクリーンレンダリングの制御モデルが刷新され、/tui コマンドと tui 設定が新たに追加されました。/tui fullscreen を実行することで、同一会話セッションを維持したままフリッカーフリーなレンダリングに切り替えられます。
あわせて、既存のキーバインドと表示モードの責務が整理されました:
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Ctrl+O: フォーカスビューではなく、通常トランスクリプトと詳細トランスクリプトのトグルに変更 -
/focusコマンド: フォーカスビューのトグルを独立したコマンドとして分離 -
autoScrollEnabled設定: フルスクリーンモードでの会話自動スクロールを無効化するオプションを追加
あわせて、macOS Terminal.app など synchronized output をサポートしない端末での起動時の文字化けも修正されています。
MCP サーバーの安定性向上
今回のリリースでは MCP まわりの修正が複数含まれています。SSE/HTTP トランスポートを使用している場合に、レスポンス送信中にサーバー接続が切断されると MCP ツール呼び出しが無限にハングする問題が修正されました。
2.1.105 でのリグレッションも解消されています。それ以前は stdio MCP サーバーが stdout に非 JSON 行を出力した場合でも許容されていましたが、2.1.105 以降は最初の非 JSON 行で切断されていました。今回の修正でこのリグレッションが解消され、stray non-JSON lines を出力する stdio MCP サーバーとの互換性が回復しています。
さらに /doctor コマンドが強化され、同一 MCP サーバーが異なるエンドポイントで複数の設定スコープに定義されている場合に警告を出すようになりました。
フック処理の一貫性修正
PermissionRequest フックと PreToolUse フックに関して、動作の一貫性を損なうバグが修正されました:
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PermissionRequestフック:updatedInputを返した場合にpermissions.denyルールの再チェックが行われていなかった問題を修正。また、setMode: 'bypassPermissions'による更新がdisableBypassPermissionsMode設定を無視していた問題も合わせて修正 -
PreToolUseフック: ツール呼び出しが失敗した際にadditionalContextが破棄されていた問題を修正
これらの修正により、フックによるパーミッション制御がより予測可能な動作になっています。
SDK・ヘッドレスセッションの改善
SDK およびヘッドレスセッションで、環境変数 TRACEPARENT / TRACESTATE を読み込んで分散トレーシングのリンクが可能になりました。これにより、外部の可観測性基盤と Claude Code セッションをトレース単位で紐付けられます。
また、CLAUDE_CODE_DISABLE_NONESSENTIAL_TRAFFIC または CLAUDE_CODE_DISABLE_TERMINAL_TITLE が設定されているときに、セッションの自動タイトル生成が余分な Haiku リクエストを発行していた問題も修正されています。
Remote Control の操作性向上
モバイル・Web クライアントからの Remote Control セッションに対して、/autocompact・/context・/exit・/reload-plugins の各コマンドが新たに動作するようになりました。また、claude.ai 側からのセッションリネームがローカル CLI セッションに反映されない問題、セッションが古い場合に再ログインを促す代わりに汎用エラーが表示される問題も修正されています。
設計判断
フォーカスビューのトグルを Ctrl+O から /focus コマンドへ分離したことは、単純なキーバインドの変更以上の意味を持ちます。Ctrl+O は「表示の詳細度をトグルする」という一貫した責務に絞られ、フォーカスという別の次元の切り替えは明示的なコマンドとして独立させる設計です。フルスクリーンモードの成熟に伴い、UI状態の軸が増えたことへの対応といえます。
セッション recap のデフォルト挙動についても注目すべき変更があります。これまでテレメトリー無効環境(Bedrock、Vertex、Foundry、DISABLE_TELEMETRY)では recap が無効でしたが、今回からはデフォルトで有効化されました。オプトアウトは /config または CLAUDE_CODE_ENABLE_AWAY_SUMMARY=0 で行えます。プライバシー設定とは独立して利便性を提供するという方向への調整です。
まとめ
2.1.110 は、フルスクリーン TUI の基盤再設計と、MCP・フック・Remote Control にわたる信頼性修正を一体で提供するリリースです。特に MCP スタックの安定化とフックのセキュリティ的な一貫性修正は、Claude Code をエージェント基盤として活用する環境での運用品質に直結する変更です。