Claude Code 2.1.90 リリース:パフォーマンス改善とセキュリティ強化を含む多数の修正
Claude Code 2.1.90では、二次時間計算量の解消によるパフォーマンス改善、PowerShellのセキュリティ強化、複数のバグ修正が一括して適用されました。インタラクティブ学習機能 /powerup の追加や、オフライン環境向けのプラグイン設定も取り込まれています。
背景
v2.1.90は小規模なインクリメンタルリリースながら、ユーザー体験に直接影響する回帰バグと性能劣化への対処が中心となっています。特に --resume コマンドに関する問題は v2.1.69 以降に持ち込まれた回帰であり、deferred tools・MCPサーバー・カスタムエージェントを利用しているユーザーがプロンプトキャッシュをフルミスするという影響がありました。
パフォーマンス面では、会話が長くなるほど処理が遅くなる二次時間計算量の問題が複数箇所で確認されており、今回のリリースで解消されています。
技術的な変更
パフォーマンス改善
今回のリリースでは、二次時間計算量 (O(n²)) に起因するパフォーマンス劣化が3箇所で解消されました。
具体的な改善点は以下のとおりです:
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MCPツールスキーマのキャッシュキー照合において、ターンごとに
JSON.stringifyを実行していたコストを削減 - SSEトランスポートで大きなストリームフレームを処理する際、従来の二次時間処理を線形時間に改善
- SDKセッションのトランスクリプト書き込みで、会話が長くなるにつれて速度が二次的に低下する問題を解消
これらはいずれも会話の長さや接続頻度に比例して顕在化する問題です。
バグ修正
ユーザー操作に影響する複数の不具合が修正されました。--resume のプロンプトキャッシュミス(v2.1.69以降の回帰)に加え、以下の問題も解消されています:
- レートリミットダイアログが繰り返し自動表示されセッションをクラッシュさせる無限ループ
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PostToolUseフックがファイルをフォーマット保存で書き換えた際に
Edit/Writeが「File content has changed」で失敗する競合状態 -
PreToolUseフックが JSON を stdout に出力して exit code 2 で終了してもツール呼び出しをブロックできない問題 -
/resumeの全プロジェクト表示でプロジェクトセッションを並列読み込みするよう改善し、多数のプロジェクトを持つユーザーの読み込み時間を短縮 -
--resumeピッカーがclaude -pまたはSDK呼び出しで作成されたセッションを表示しないよう変更
PowerShellのセキュリティ強化
PowerShellツールの権限チェックが複数の観点からハードニングされました。修正された問題は以下のとおりです:
- 末尾の
&によるバックグラウンドジョブ実行のバイパス -
-ErrorAction Breakによるデバッガーハング - アーカイブ展開時のTOCTOU(Time-of-Check to Time-of-Use)競合
- パース失敗時のフォールバックでdeny ruleが劣化する問題
また、Get-DnsClientCache と ipconfig /displaydns がオートアローリストから削除されました。CHANGELOGには「DNS cache privacy」との理由が明記されており、これらDNSキャッシュを取得するコマンドはデフォルト許可の対象外となりました。
新機能と設定追加
/powerup コマンドが追加され、アニメーションデモ付きのインタラクティブなClaude Code機能学習が可能になりました。また、CLAUDE_CODE_PLUGIN_KEEP_MARKETPLACE_ON_FAILURE 環境変数が追加され、git pull 失敗時に既存のマーケットプレイスキャッシュを保持できるようになりました。これはオフライン環境でのプラグイン運用に役立ちます。さらに .husky ディレクトリが acceptEdits モードの保護対象に追加されました。
設計判断
CHANGELOGに明示されている変更の意図として、DNSキャッシュ関連コマンドのオートアロー削除が挙げられます。Get-DnsClientCache と ipconfig /displaydns は「DNS cache privacy」を理由にデフォルト許可から外されており、プライバシー保護を目的とした変更であることが明記されています。
--resume ピッカーの絞り込みについても、CHANGELOGに「claude -p またはSDK呼び出しで作成されたセッションを表示しない」と明記されており、ヘッドレス・自動化用途のセッションをインタラクティブな再開操作の対象から除外する変更です。
まとめ
v2.1.90は機能追加よりも品質・セキュリティ・性能の整備に重点を置いたリリースです。二次時間計算量の解消はSDKセッションや長期稼働エージェントの実用性向上に直結し、PowerShellのハードニングはツール実行の信頼性を高めます。v2.1.69以降の回帰バグへの修正も含まれており、継続的な品質改善の一環となっています。