Claude Code 2.1.122 リリース — Bedrock/Vertex AI対応強化と多数のバグ修正
Claude Code 2.1.122では、AWS BedrockおよびVertex AIとの連携における複数の不具合が修正されるとともに、Bedrockのサービスティア選択機能やOpenTelemetryの計測精度向上など、インフラ寄りの改善が盛り込まれた。
背景
Claude CodeはAWS BedrockやGoogle Vertex AIを経由したエンタープライズ利用が広がっており、これらのプロキシ環境やARN形式のエンドポイントにおける互換性問題が複数報告されていた。今回のリリースはそれらへの対処を中心に、ユーザー体験に直結するUI・セッション管理の修正も含む包括的なパッチリリースとなっている。
技術的な変更
Bedrock / Vertex AI対応の強化
クラウドプロバイダー経由の利用における問題が複数修正された。最も影響範囲が広いのは、Vertex AI・Bedrockの両方に影響していた invalid_request_error: output_config: Extra inputs are not permitted エラーで、セッションタイトル生成など構造化出力クエリ全般で発生していた。
新機能として ANTHROPIC_BEDROCK_SERVICE_TIER 環境変数が追加された。default・flex・priority の3値を取り、リクエストヘッダー X-Amzn-Bedrock-Service-Tier としてBedrockに送信される。これにより、Bedrockのサービスティア(処理優先度)をアプリケーション側から制御できるようになった。
加えて以下の修正が含まれる:
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/modelでBedrockのアプリケーション推論プロファイルARNに対してEffortオプションが表示されない問題、およびARNにoutput_config.effortが送信されない問題を修正 - Vertex AIの
count_tokensエンドポイントがプロキシゲートウェイ経由で400エラーを返す問題を修正
OpenTelemetryの計測精度向上
OpenTelemetryの出力に2件の改善が加えられた。api_request・api_error ログイベントの数値属性がこれまで文字列として送出されていたが、正しく数値型で出力されるようになった。この変更は、Datadog・Grafana等でのメトリクス集計やアラート設定に直接影響する。また、@-mention解決を記録する claude_code.at_mention ログイベントが新たに追加され、コンテキスト参照の可観測性が向上した。
セッション管理とUI修正
セッション継続性に関する複数の修正が含まれる。/resume の検索ボックスにPR URLを貼り付けると、そのPRを作成したセッションを検索できるようになった(GitHub・GitHub Enterprise・GitLab・Bitbucket対応)。/branch コマンドが巻き戻したタイムライン(rewound timelines)を含むセッションをフォークする際に tool_use ids were found without tool_result blocks エラーで失敗していた問題も修正された。
その他のUI・動作修正は以下の通り:
- 画像のリサイズ上限が2576pxになっていたのを正しい2000pxに修正
- リモートコントロールセッションのアイドル状態が毎秒2回再描画され、
tmux -CC制御パイプを溢れさせる問題を修正 - 一部セッションでアシスタントメッセージが空白表示される問題(古いビュー設定のキャッシュが原因)を修正
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settings.jsonの不正なhooksエントリがファイル全体を無効化していた問題を修正 -
spinnerTipsOverride.excludeDefaultが時間ベースのスピナーヒントを抑制しない問題を修正 - ToolSearchが非ブロッキングモードでセッション開始後に接続されたMCPツールを見落とす問題を修正
- bash モードで
!exit/!quitがシェルコマンドとして実行されず CLI を終了してしまう問題を修正 - Voice modeでCaps Lockにバインドされたキーバインドがターミナルのキーイベント非配信に起因するエラーを表示するよう改善
設計判断
ANTHROPIC_BEDROCK_SERVICE_TIER を環境変数として実装した点は、コードの変更なしにデプロイ単位でサービスティアを切り替えられるという運用上の利便性を重視した設計といえる。ヘッダー名 X-Amzn-Bedrock-Service-Tier をそのまま環境変数名にマッピングしており、Bedrockのドキュメントとの対応が明確で、デバッグ時にも追いやすい。
settings.json の部分的な不正エントリでファイル全体が無効化されていた問題の修正は、設定ファイルのパース戦略における「fail-fast vs. partial recovery」のトレードオフを後者に傾けたものだ。個々のエントリ単位でのバリデーションと無視が可能になることで、設定ファイルの破損がユーザー体験全体を損なうリスクが軽減される。
まとめ
2.1.122はBedrockとVertex AIを本番環境で運用しているチームにとって影響度の高いパッチリリースである。特にプロキシ経由のVertex AI利用や、ARN形式のBedrockエンドポイントを使用している環境では、今回修正されたエラーに遭遇していた可能性が高く、早期のアップデートが推奨される。